2)ステップ2
細胞溶解およびクロマチン断片化
細胞または組織懸濁液を含む1.5 mlチューブに1 mlの氷冷可溶化バッファーiL1を加えます。ピペットで上下に数回サンプルを再懸濁し、15 mlチューブに移します。
6 mlの氷冷可溶化バッファーiL1を添加し、穏やかに混合しながら4℃で10分間インキュベートしてください。
500×g、4℃で5分間遠心分離して上清を捨てます。
1 mlの氷冷可溶化バッファーiL2に細胞ペレットを再懸濁させ、数回ピペッティングします。
6 mlの氷冷可溶化バッファーiL2を添加し、穏やかに混合しながら4℃で10分間インキュベートしてください。
細胞を500×g、4℃で5分間遠心分離して再びペレット化し、上清を捨てます。
700μlの断片化バッファー iS1に200xプロテアーゼ阻害剤カクテル3.5μlを加えて断片化バッファーを調製します。以後、氷上で取り扱います。
700μlの断片化バッファーを細胞(7×106個の細胞)に加えます。断片化バッファー中の終細胞濃度は、断片化バッファー 100μlあたり細胞1×106個が適切です。ピペットで数回上下に再懸濁してください。細胞懸濁液を最大300μlのアリコートになるよう適切な超音波マイクロチューブに分注してください:
- Picoruptorを使用する場合は、1.5 mlのPicoruptor®Microtubes with Caps(カタログ番号C30010016)を使用してください。
分注した細胞懸濁液を氷上で10分間インキュベートしてください。注1
Picoruptorを用いた超音波処理によりクロマチンを断片化します。お使いのデバイスに適合するプロトコルを選択してください:
- Picoruptorを使用する場合、断片化は30秒ON / 30秒OFFを5〜15サイクル実施します。注2
サンプル中の液体を15秒間軽くスピンダウンします。サンプルを新しい1.5 mlチューブに移し、16,000 x g、4℃で10分間遠心します。断片化されたクロマチンを含む上清をプールします。このクロマチンを免疫沈降反応(ステップ3・磁気免疫沈降)に使用するか、-80℃で保存してください(最大2ヶ月間)。
断片化評価のために、断片化されたクロマチン50μlのアリコートを採取し、解析を行います。注3
注1:Picoruptorでの断片化で処理できるサンプルの最大容量は、1.5 ml Microtubeあたり300μlです。超音波処理の効率を高く保つため、必ず正しいタイプのマイクロチューブをご使用ください。
注2:Chromatin Shearing Optimizationキット – 低SDS(iDeal Kit for Histones)(カタログ番号C01020010)を使用して、新しいサンプルタイプごとにパイロット実験を行うことをお勧めします。
注3:クロマチンの各バッチの断片化解析を推奨します。所定の実験条件(細胞型、細胞数およびクロスリンク)についての超音波処理の設定が以前に最適化されている場合は、この工程を省略することができます。分析するまでの間、クロマチンのアリコートは-20℃で保存してください。
目次
- キットを用いたクロマチン免疫沈降法プロトコル
- (1)はじめに-試薬・機器
- (2)ステップ1-細胞回収とクロスリンク
- (3)ステップ2-細胞溶解とクロマチン断片化
- (4)ステップ3-磁気免疫沈降
- (5)ステップ4-溶出、脱クロスリンクおよびDNA精製
- (6)ステップ5-定量PCR分析
マニュアル全篇をpdf書類でダウンロードできます
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