キットを用いたクロマチン免疫沈降法プロトコール(5)


4)ステップ4
溶出、脱クロスリンクおよびDNA精製

注:キットを初めて使用する前に、洗浄バッファー1と洗浄バッファー2に等容量のイソプロパノールを加えてください。洗浄バッファー1と2は4℃で保存してください。蒸発を避けるために、保管中はボトルを開けたままにしないでください。

DiaMag Rotator EU

最後の洗浄バッファーを除去した後、100μlの溶出バッファーiE1をビーズに加え、ビーズペレットを再懸濁し、DiaMag Rotator上で室温で30分間インキュベートします。注1
   
チューブを軽くスピンダウンし、DiaMag1.5ml磁気ラックに入れます。磁気ラックに入れたまま1分間待って上清を新しい1.5 mlチューブに移し、4μlの溶出バッファーiE2を加えてください。同時に、99μlの溶出バッファー iE14μlの溶出バッファーiE2を1μlのインプットサンプルに加えてください。振盪しながら65℃で4時間又は一晩インキュベートします。注2
   
各IPおよびインプットサンプルに2μlのキャリアーを加えます。
   
各IPおよびインプットサンプルに100μlの100%イソプロパノールを加えます。注3
   
ボルテックスでIPureビーズv2を再懸濁し、10μl取り、各IPおよびインプットサンプルに添加します。
   

DiaMag 1.5mL磁気ラック

DiaMag Rotatorに各IPおよびINPUTサンプルをセットし、室温で10分間インキュベートします。
   
チューブを軽くスピンダウンし、DiaMag 1.5ml磁気ラックに入れ、1分待ってバッファーを捨てます。
   
1チューブあたり洗浄バッファー1を100μl加えます。ビーズペレットが完全に再懸濁するまで、チューブを閉じてよくボルテックスしてください。室温で30秒間インキュベートします。チューブを軽くスピンダウンし、DiaMag 1.5ml磁気ラックに入れ、1分待ってバッファーを捨ててください。
   
1チューブあたり洗浄バッファー2を100μl加えます。ビーズペレットが完全に再懸濁するまで、チューブを閉じてよくボルテックスしてください。室温で30秒間インキュベートします。チューブを軽くスピンダウンし、DiaMag 1.5ml磁気ラックに入れ、1分待ってバッファーを捨ててください。
   
チューブを再びスピンダウンし、DiaMag 1.5ml磁気ラックに入れます。必要に応じて残りの洗浄バッファー2を捨ててください。25μlのCバッファーにビーズペレットを再懸濁します。DiaMag Rotatorで15分間室温でインキュベートします。
   
チューブを軽くスピンダウンし、DiaMag 1.5ml磁気ラックに入れ、1分待ってチューブ中のIP後のDNAを含む上清を新しい1.5 mlチューブに移します。残ったビーズは捨ててください。
   
各サンプルについてqPCRによって分析される領域の総数を決定してください。それに応じたqPCR解析に必要な量のインプットおよび免疫沈降したサンプルを採取します。これらのサンプルは1/10に希釈され、1PCR反応あたり5μlが使用されることを考慮に入れてください。注4
   
残りのDNAについては後の使用まで-20℃で保存してください。

 

注1:溶出バッファーiE1に沈殿物が観察された場合は、それが透明になるまで37℃で保温してください。これによる反応への影響はありません。

注2:必要に応じて、このステップでの断片化評価(ステップ2からの)のためのクロマチンサンプルについても本処理を行ってください。免疫沈降およびインプットサンプルと並行して脱クロスリンクおよびDNA精製を行います。

注3:イソプロパノールの添加後、溶液が濁ることがあります。これは実験に有害ではなく、精製されたDNAの品質や量に影響を与えません。

注4:サンプルの希釈率および必要な1PCR反応あたりの使用体積は、使用されるマスターミックスおよびqPCRマシンの感度・性能に依存します。

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