ChIPテクニックQ&A


ChIP-seqやChIP-qPCR等、クロマチン免疫沈降を用いた実験手法は手順が多く、経験やノウハウの積み上げが実験の成功を左右します。

DiagenodeではChIPに関する豊富な知見を基に、皆様のChIP実験テクニックに関する質問に対する回答・アドバイスを、このページでご紹介していきます。

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新着Q&A (4)



【FAQ】アガロースゲルを用いたせん断効率の確認方法



アガロースゲル上で大量のクロマチンが移動すると、実際のDNA断片化を反映しない画質の低下が生じる可能性があるため、ゲルに過負荷をかけないようにします。

切断されたクロマチンからの最適なDNA量は、1レーンあたり約300ngとしてください。100ngから500ngまで希釈系列を作成して最適な濃度を検討することも可能です。

正確な断片化評価のためには、1.2~1.8%アガロースゲル上で剪断されたクロマチンを泳動してください。

また、アガロースゲルで可視化できる最少の剪断クロマチン量は60,000細胞相当に相当します。




【FAQ】固定化細胞の冷凍保存?



原理的には非常に長い期間ですが、必ず新鮮なサンプルを使用した方がよいでしょう。

可能な限り、クロマチン調製用の新鮮な細胞を用いて実験を行ってください。

クロスリンクした細胞を凍結した場合、DNAの超音波処理に対する感受性が変化し、高分子量画分が持続的に残存する再現性の低い剪断が生じる可能性があるためです。




【FAQ】ChIPでのProtein G磁気ビーズ量について



ビーズ量は、一般的に、特定のプロトコールに対しては一定に保ちます。

一般的には磁気ビーズは十分に低いバックグラウンドを示し、その量を減らす必要はありません。

クロマチンの量、使用されるIP容量、および標的エピトープの全体的な利用可能性に適合するよう、抗体の量を最適化することがより良いと言えます。

また、ChIP-seq検証済み抗体では、最適な性能量としてIP当たりの推奨量を提示していますが、通常1/2x – 2xの範囲でさらなる最適化を行っていただくことが可能です。




【FAQ】転写因子とタグ付きタンパク質のChIPコントロール



タグ付きタンパク質については、良好なコントロールの選択が実際に重要なためケースバイケースで考慮される必要があります。

ChIPワークフローの全体的な成功の確認には通常のCTCFまたはPolIIおよびIgGコントロールを使用できます。

また、KO/突然変異体の細胞系使用や、同じタグを有する異なるタンパク質の使用などもコントロールとして有益と考えられます。

ターゲットとなるタンパク質がどこに結合しているかがあらかじめわかっている場合は、qPCRプライマーは結合部位とエピトープのない領域上にそれぞれ設計することが可能です。


よく見られているQ&A

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超音波処理 (1)



【FAQ】SDSの析出を防ぐ方法について



Shearing bufferは超音波処理のなるべく直前にサンプルに添加する必要がありますが、最適な結果を得るためには、超音波処理前に氷上で10〜15分間インキュベートします。

超音波処理は通常数分しかかかりません(超音波処理装置とサンプルタイプによって異なります)。

超音波処理時間を短くすることにより、SDSの実質的な沈殿を防ぎます。

プロセス中にSDSのごく一部が沈殿する場合であれば、これは通常害となる影響は与えません。


クロスリンク・脱クロスリンク (4)



【FAQ】脱クロスリンクの反応条件2



オーバーナイトでのインキュベーションは次の日まで実験を止めておく便利なステップとして活用できますが、通常反応時間は4時間で十分です。

ただし、長時間クロスリンク反応が行われた場合や、追加のクロスリンク試薬が使用された場合は延長されるケースもあります。とはいえ、その場合でも4時間であれば十分である可能性が高いです。




【FAQ】脱クロスリンクの反応条件1



クロマチンを4時間、あるいはオーバーナイトで保温(65℃程度)する方法をお勧めします。

その際、Proteinase K処理が併用されることもありますが、必須ではありません。

保温の後でも、ライブラリー調製で使用される2本鎖DNAは維持されます。

ただし、ChIPmentationの手順は例外で、脱クロスリンク反応のスピードアップのため、高い温度が使用されます。




【FAQ】脱クロスリンクとProteinase K



クロスリンクには穏和な温度による加熱をお勧めします。

Proteinase Kを加えて実施することも可能ですが、Proteinase Kの添加は必須ではありません。




【FAQ】クロスリンク条件の決定方法を教えてください



DNA結合タンパク質を研究するにあたってはタンパク質に応じてそれぞれ最適な固定化方法を使用する必要があります。また一部のエピジェネティックマークは、他のマークよりも挙動を捕捉しにくい場合があります。

従って、タンパク質-DNAの固定化が分子間の結合としてきちんと行われたかの確認を行うことは難しいですが、以下のポイントに従った実施を確認することにより、良好なクロスリンク形成の条件に近づけることは可能です。

親和性の弱いまたは希少なタンパク質-DNA結合イベントを研究する場合、固定化は培地にクロスリンク剤を加え迅速かつ直接行います。ヒストン修飾を研究する場合、固定前にトリプシン処理によって細胞を懸濁液中に懸濁してください。一般に、標準的なホルムアルデヒドを用いた1ステップのクロスリンクプロトコールを使用すると、ヒストン修飾では短い固定化時間(8 ~ 10 分)、転写因子ではそれより長い固定化時間(10 ~ 20 分)が必要です。

クロスリンク剤のホルムアルデヒドについては新鮮なものを常に使用してください。メタノールを含まない試薬の使用は必須ではありませんが、高品質で新鮮なホルムアルデヒドの使用が重要です。ホルムアルデヒドをストックしている場合は、毎月在庫をフレッシュなものと交換することにより、ChIP 実験間の高いアッセイ間再現性が確保できます。

細胞株や目的のエピトープについて、最適な固定時間を経験的に決定するために、固定化のタイムコースを常に取得してください。細胞株とエピトープは、クロスリンク効率と試薬に対する感度が大きく異なります。固定時間と温度を正確に指定してください。

ホルムアルデヒドによるクロスリンクは、時間と温度に依存するプロセスです。より高い温度とより長い持続時間で、より強い架橋が達成されます。特定のターゲットと細胞の種類に応じて室温または37℃、5分または15分などで実施できますが、実施の際は温度と時間が一定であることを確認してください。


ChIP-seq (1)



【FAQ】ChIP-qPCRとChIP-seqについて



ChIP-qPCRはしばしば濃縮度の低いIPサンプルに対しても分析可能な場合がありますが、ChIP-seqは大量のデータが分析の結果として生じるため、S/N比を向上させ、信頼性の高いデータを得るために濃縮度の高いIPサンプルが必要です。

そのため、ChIP-qPCRで使用可能な抗体の中には、ChIP-seqで使用した時に十分な濃縮度が得られず推奨できないものが含まれる場合があります。

しかしながら、一般的にChIP-qPCRでよい結果が得られている場合、ChIP-seqでも十分なシーケンス結果を得ることは可能です。

逆にChIP-seqでよい結果が得られているにもかかわらず、低品質のプライマーや未知のアニール部位のためにqPCRがうまくいかず、ChIP-qPCRの結果が良くないケースも見られますので、そのような場合はqPCRの系が機能しているか十分再検討することをお勧めします。


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