Chapter 7. Picoruptor(ピコラプター)と超音波処理法


ChIP実験の成功のカギは、目的の生物学的シナリオの状態を反映する断片化クロマチンの調製にあります。

高品質のクロマチンサンプルは、クロマチン断片サイズの分布が適正で、またChIPできちんと認識されるクロスリンクされたエピトープが存在しています。

完全な超音波処理のプロファイルとはもっとも高い特異的シグナルと低いバックグラウンドを得ることのできるプロファイルのことを指します。

ChIP実験の超音波処理による断片化において、標準的なクロマチン断片サイズの分布というものはありませんが、通常、100-500 bpが主にChIP実験で用いられており、初めての実験にはこの分布でクロマチン断片を調製するといいでしょう。

この条件から、目的配列の結合対象(ヒストンか、非ヒストンか)やChIP後の実験用途(ChIP-qPCR, ChIP-seq)等、特定の実験条件に応じて細かく検討しなおすことができます。

一般的に、ChIP-seqでは、ChIP-qPCRよりもより厳密なフラグメント分布が推奨されます。100-300bpであればヒストンChIP-seqに適用できます(ただし必ずしも必要ではない)が、非ヒストン(転写因子およびDNAに直接結合しないタンパク質)タンパク質が対象の場合はフラグメント分布を広げた方が適しています。

最近のシーケンシング技術の進化により、100〜800bpの範囲のフラグメント分布を有するクロマチンからChIP-seq実験を行うことが一般的です。

最良の結果を得るには、Picoruptorを使用することをお勧めします。Picoruptorは高性能で、正確かつ均一な超音波を生成し、最適なせん断効率を実現します。1000以上の査読済みの科学論文がPicoruptorを引用しています。

また、Diagenode社より以下の通り、多くの応用プロトコールも提供しておりますので、参考にしていただけます(英文)。

超音波破砕装置Picoruptorとは

Picoruptor®は、Diagenode社が開発した密閉式超音波破砕装置です。

最新技術 によりDNAやクロマチンを高精度にサイズコントロールすることが可能になり、さらに独自のシンクロ型温度制御システムを採用することで、効率良く、再現性の高い超音波破砕を行うことができます。

また、幅広い試料容量(5μl~2 ml) に対応しています。

  • Picoruptor|DNAとクロマチンの断片化に

サンプルは密閉したチューブ中に入れ、水槽内で超音波を照射する方法ですので、サンプルのクロスコンタミネーション(交差感染)を防ぎ、比類のない再現性を実現します。

Picoruptorは、温度やサンプルとの接触形式などが高度に制御された超音波技術であるACT(Adaptive Cavitation Technology)を使用しており、クロマチン免疫沈降(ChIP)、次世代シークエンシングのためのゲノムDNAの断片化、RNA 断片化、細胞および組織の破砕などそのほか多くの実験に使用することが可能です。

これらの特徴を持つPicoruptorは、下の表に示す通り、現在市場で販売されている他の超音波破砕装置と比較しても数々の利点を有しています。

 
Picoruptor
プローブ型
ソニケーター
カップホーン型
ソニケーター
一点集中型
超音波破砕装置
幅広い応用分野
ランダム断片化
閉鎖系でコンタミを
防ぐ
ハイスループット
サンプル間の再現性
スケールおよび処理
量の柔軟性
消耗品が安価
温和な出力で、温度調節
によりサンプルを守る
騒音が少ない
NGS DNA断片化
クロマチン断片化
NGS RNA断片化
FFPEからのDNA抽出
細胞・組織からの
タンパク質抽出
(質量分析・その他
の分析用)

超音波処理時間の長さは、細胞型、細胞密度、試料量、固定時間、バッファー中の界面活性剤濃度などの多くの因子に依存します。

したがって、新しい実験ごとに超音波処理条件を最適化することが重要です。

Picoruptorは高性能で、正確かつ均一な超音波を生成し、最適なせん断効率を実現します。1000以上の査読済みの科学論文がPicoruptorを引用しています。

Diagenode社でPicoruptorを用いて断片化の検討を行い、提供している参考プロトコールを下に示します。(グローバルサイトにリンクします)

製品案内

Picoruptor

クロマチン断片化に最適な超音波処理装置、Picoruptorに関するプロトコル集、資料、関連記事およびお見積の問い合わせはこちらをご覧ください。


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