Q&A:免疫沈降


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免疫沈降 (22)



【FAQ】ChIPで抗体の処理条件が違いすぎる



実験にChIP-seqグレードの抗体をご使用いただくことを推奨します。すべてのDiagenode ChIP-seqグレードの抗体は、標準のChIPワークフローで非常に良好に機能します。

開始量、洗浄ステップなどwww.diagenode.comで各抗体の推奨事項とシーケンス検証を確認してください。

最適な結果を保証するために、バッチ検証済みのChIP-seqグレードの抗体を提供しています。

また、処理条件を揃えるために、たとえば開始量を減らしバックグラウンドを削減するなど、処理条件をさらに最適化することも可能です。

ここでの成功のポイントは、ターゲット量と抗体効率に依存します。

最適化を実施する際は、標準のパラメータを使用したワークフローと並行して行い、パラメータ変更した際の結果を比較しながら進めることをお勧めします。



ChIPは長い断片がより濃縮される傾向があります。

断片が長いとより多くのエピトープを持っているため、短い断片よりも高い効率で免疫沈降する傾向があります。

この影響を減らすには、効率的な超音波処理を実現して、ほとんどのフラグメントを100〜800 bpの範囲にすることが重要です。

超音波処理の効率を上げるため、クロスリンクを目的のターゲットに最適化し、超音波処理の前に核を分離することによって、超音波処理時のサンプル密度を下げることが有効です。

長い断片が優先的に免疫沈降される現象は、クロマチン量に対し抗体が飽和量になっていない可能性があるため、各免疫沈降時の抗体量に特に注意を払う必要があります。




【FAQ】転写因子のChIPで使用できるポジコンについて



CTCFは、十分に特徴づけられたピークと結合部位を持っているため、転写因子に対して最も使用されているポジティブコントロールの1つです。

この他に一般的に使用されているポジティブコントロールはRNAPolIIです。

ChIPで強力に機能する他の十分に特徴づけられたターゲットと対応する抗体がある場合は、それを使用することも可能です。




【FAQ】Total H3はポジコンに使えますか?



H3K4me3が対象のターゲットである場合、追加のポジティブコントロールは必要ありません。

H3K27acも、非常にアクティブなプロモーターおよびエンハンサーサイトに見られる優れたコントロールターゲットです。

H3-ChIPは可能ですが、H3はクロマチン中に遍在するため非常に広い分布が得られる結果となり、ChIPの修飾特異性のコントロールとしては最適ではありません。




【FAQ】ChIPで2kb以上の断片のみ沈降、なぜ?



Bioanalyzerでサンプルを見た場合、Bioanalyzerは出力スケールが直線的でないため、大きなフラグメントが見かけ上凝縮されて2 kb付近に「ピーク」を形成します。またアガロースゲルで同じサンプルを見た場合、800bp以下の断片が十分に観察されれば、2kb以上のスメアなバンドはそれ自体問題ではありません。免疫沈降中にこれらの断片が失われることはむしろ稀で、通常は実験下流につれてさらに濃縮されます。

しかし、クロマチンマークや抗体によっては、より大きな断片の方が優先的にプルダウンされる場合があります。例えば、クロスリンクが弱いケースなどで、より大きな断片でなければプルダウン用のエピトープを提供できない可能性がある場合です。

抗体の量が多すぎたり少なすぎたりする場合も、このような現象が起こる可能性があります。




【FAQ】転写因子のノックアウト



遺伝子をノックアウトした細胞はコントロールサンプルとして大変有用です。

ノックアウト有細胞、ノックアウトなし細胞で転写因子をターゲットに行うのと同時に、テクニカルコントロールとしてCTCFなどシグナルが良好に得られるターゲットも含めて実験を計画することが重要です。




【FAQ】抗体の性能評価法について



抗体の品質はChIPの成否を分ける絶対的な鍵です。

特にChIPに使用する抗体の場合、アフィニティ測定、ウェスタンブロットまたは免疫蛍光分析はChIP条件下での性能を必ずしも反映しないため、ChIP/ChIP-seqでの直接検証が最も正確です。

抗体によるターゲットの濃縮効率を定量化し、他の抗体やバッチと比較するためには、ChIP実験を行い、ChIP-qPCR(安価で迅速)またはChIP-seq(高価で時間がかかるが最適、Diagenodeでは独自に実施)により結合した部位と結合していない部位(例えば遺伝子間領域)の濃縮度を比較することが最適です。




【FAQ】ChIPの成否確認はPCRでも大丈夫?



特に高い品質のChIPデータを得たい場合、qPCRでの確認が必須です。ChIPではデータの正規化の手法が解析に主要な影響を与えるため、得られたシグナルを慎重に定量することが正しいデータの解釈につながります。

ChIPで得られたデータの信頼性を担保するためにも、インプットサンプルの定量データを取得してください。インプットサンプルはChIP実験において基礎となる情報を提供するため、使用するプライマーセットごとに解析します。

インプットサンプルで得られるデータは、ChIP実験で使用されたクロマチンの存在と量を示しており、ポジコンとして使用されるほか、実験で得られた様々なデータを正規化する際の基準の値となります。

質の良いコントロールと定量データがあって初めてデータの正規化と統計学的な解析が可能となり、データの解釈についても信頼性を増大させることができます。よって、ChIP実験の評価にはqPCRを用い、正しい解析方法を用いてご確認ください。




【FAQ】抗体とプロテインA/Gビーズについて



前清澄化についてはprotein A/Gビーズとの非特異的結合を防ぐ次元で推奨される場合があります。しかしながら、DiagenodeのChIPキットのプロトコールではプレインキュベート・前清澄化ともに必須ではありません。




【FAQ】ChIPして得られたDNAの定量方法



免疫沈降したDNAの量は、サンプル中の転写因子の量に依存しますが、同時にゲノムDNAの混入に由来するバックグラウンドシグナルの吸光が定量に大きく影響します。

従って、DNA濃度の定量は吸光光度法に拠らずqPCRを用いることを推奨します。

qPCRでは転写因子領域特異的な領域を増幅するポジコンの増幅量と、転写因子領域とは関連しないネガコンの増幅量と比較して目的領域の濃縮を確認してください。




【FAQ】ChIPグレードとnon-ChIPグレード抗体



ChIPグレードやChIP-seqグレードの抗体はChIP-qPCR/-seqで検証済みなので、クロスリンクされたエピトープやChIP用のバッファーに対する適性を有しています。

ウェスタンブロッティングやイメージングで使用できる抗体であっても、クロスリンクされたエピトープやバッファーに対して互換性がなく、ChIPには適さない場合があります。




【FAQ】FFPEをChIPする場合の初発サンプル量



切片の厚さとサイズに依存します。ダイアジェノードのFFPE ChIP kitを使用する場合、10μm厚の切片6枚の使用をお勧めしております。得られたクロマチンから少なくとも300ngのDNAを免疫沈降に使用します。



【FAQ】エピトープタグ付き転写因子のChIP



抗タグ抗体を利用したエピトープタグ付きタンパク質の免疫沈降は、一般に標的タンパク質に対する高品質の抗体が入手できない場合に使用されています。

エピトープタグをターゲットとしたタグ付きタンパク質のChIPは、目的のタンパク質に対する抗体を使用した場合より以下の点で優れています。

・新規タンパク質、あるいは免疫原性の低いタンパク質に対する抗体を取得する時間や費用を削減できる

・エピトープタグはすでに性質が良くわかっており、また検証済のエピトープタグに特異的な抗体が多く利用できるため交差反応を最小限に抑えられる

エピトープタグ付加タンパク質のChIPは広く行われていますが、実施に際して以下のような制限があります。

・エピトープタグがタンパク質の構造、結合親和性/部位、機能を妨げる可能性がある

・異種プロモーターの導入により異常な発現が生じ、結果に偏りが生じる可能性がある

・FLAGタグなどLysを含むタグはクロスリンカーと反応し抗体との反応を阻害する。このほかのエピトープタグでも、ChIP用に使用するには配列に注意が必要となる。Ty1のように、Lysを含まないタグがChIPにはより適しています。




【FAQ】ChIP-seqのポジコンの選び方



免疫沈降によりヒストンが適切に濃縮されているかのポジティブコントロールとして使用する場合は、目的のヒストンマークと同じような挙動を示すヒストンマークを使用することを推奨します。

例えばH3K4me3(ヒストンのChIPでの標準的なマーク)か、H3K27me3が適切です。

H3は広範なゲノム領域を沈殿し、インプットのようなシグナルが得られます。

また、H3K4me3ではシャープなピークが得られるため、qPCRでも簡単に検出でき、ChIPのポジコンとして最適です。




【FAQ】ChIPでモノクローナル抗体を使ってよい?



ChIPでは、基本的にはポリクローナル抗体、モノクローナル抗体両方とも使用していただけます。

モノクローナル抗体はターゲットタンパク質上の単一のエピトープを認識するため高い特異性、低い非特異結合、低いバックグラウンドを示します。

しかし、もしモノクローナル抗体の認識するエピトープが他のクロマチンに付随するタンパク質によって利用不能になっていたり、ChIPプロセスによるマスキングが生じたり(クロスリンク等)した場合にはモノクローナル抗体はタンパク質へ効率的に結合できません。

実際はエピトープが利用不能になる事態は極端な条件でなければあまり起こることではないため、モノクローナル抗体を使用してChIPで優れた結果を生み出すことは可能です。

モノクローナル抗体に対し、ポリクローナル抗体はターゲットタンパク質上の複数のエピトープを認識し、クロスリンクでいくつかのエピトープがマスクされた状態でもターゲットと結合できます。

しかし、ポリクローナル抗体は複数のエピトープを認識するため、ターゲット結合時に非特異的結合が生じる可能性が増加します。

このため、ポリクローナル抗体の使用の際は、常に抗体のバッチ間で反応性などを比較し、管理する必要があります。

また、ChIP用、ChIP-seq用に検証された抗体をご使用いただくことによっても、ターゲットへの反応性を確かなものにしていただけます。




【FAQ】インプットサンプルの処理法



インプットサンプルは、超音波処理を行ったサンプルから一部取り分けてください。

サンプルの免疫沈降が終わったところで、免疫沈降サンプルと並行して、取り分けたインプットサンプルの脱クロスリンクとDNA精製手順を実施してください。




【FAQ】ChIPサンプルをプールしてChIP-seq



免疫沈降作業中に技術的なバイアスがかかることを考慮すると、複数のChIP免疫沈降物を同時に同じクロマチンから平行して処理されている場合は可能と考えられますが、異なる実験から得られた免疫沈降物はプールすることは避けたほうが良いと思われます。

インプットサンプルは各処理に使用したクロマチンからそれぞれ調製してください。




【FAQ】ChIPとウェスタンブロッティング



ウェスタンブロッティングは使用するバッファーと反応条件がChIPとは異なるため、ChIP用抗体の検証方法としては不適当です。

可能であればChIP-seq検証済み抗体を使用してください(推奨される抗体濃度が示されています)。

また、ChIPの溶出画分などを検証し免疫沈降や洗浄効率を評価するのにウェスタンブロッティングを行うケースがありますが、通常必須ではありません。

ChIP効率の分析は、得られたDNA量をqPCRで判断するのが最も分かりやすい分析法と言えます。




【FAQ】クロマチンDNAの定量法



クロマチン調製・断片化用の初発サンプル量を例えば100万細胞/1免疫沈降と揃えてから処理することをお勧めします。

多少の増減は問題ありませんが、クロマチン調製時の初発細胞数・組織量を可能な限り揃えてください。

クロマチンの定量が必要な場合は、DNAは精製し、Qubitなどの蛍光法を使用して定量を行ってください。




【FAQ】免疫沈降の前清澄化について



Pre-clearingはprotein Aやprotein G磁気ビーズへの非特異的なタンパク質の吸着を防ぐ目的でいくつかのプロトコールにおいて推奨されています。

Pre-clearingはDiagenode ChIPプロトコールに従って実験を進める際は行う必要はありません。




【FAQ】ChIPに使用するprotein A/Gビーズについて



Protein AかGビーズのどちらを使用するかについては、免疫沈降に使用する抗体がどの動物種を免疫して得られたものかに依存します。

またprotein AはヒトIgGに対する結合性を有していますが、ヒト由来サンプルに使用してもChIP実験には大きな影響はないと考えられます。




【FAQ】ChIP時のクロマチン濃度と抗体濃度



必要とされる抗体の量は各抗体の特性に依存するため、常に抗体のご使用前に使用する抗体の濃度を振って最適化の実験を行うことをお勧めします。

ChIPシグナルが飽和する抗体濃度を確認してください。

また、S/N比が最適になるような抗体濃度を使用することが重要です。

www.diagenode.comでは各抗体についてウェブ上で、推奨使用濃度とChIP-seqのバリデーション結果をご確認いただけます。

Diagenodeではバッチ毎にバリデーションされたChIP-seqグレード抗体を提供しており、それぞれについて免疫沈降用に推奨する使用量を記しています。

サンプルが特殊な場合は使用量の変更が必要な場合があります。その場合は最適化のため濃度を振り滴定を行ってください。



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