ChIPmentation|エピジェネティクス研究で使用される実験手法


クロマチン免疫沈降法(ChIP)は、目的のタンパク質を標的とする特異的抗体を使用することにより、インタクトな細胞における特定のゲノム領域とタンパク質との会合状態を分析する技術です。

ChIPとChIP-seq法

ChIPについて、次世代シークエンシング(NGS)を併用(ChIP-seq)することにより、ゲノムワイドでDNA-タンパク質の会合状態を分析することが可能になりましたが、そのためにはシークエンシングアダプターを用いてライブラリーを調製する必要があり、サンプルに対して多くの処理工程が必要です。

従来のChIP-seqライブラリー調製では、クロマチン免疫沈降後、ライブラリー調製の前にアダプターのライゲーションが行われます。

このプロセスでは、3つのステップが必要となり、アダプターの結合により不要なアーティファクトが発生する可能性がある上、長い作業時間が必要でした。

ChIPmentationによるライブラリー調製

新しいDiagenode ChIPmentationテクノロジーはこの問題を解決します。

ChIPmentationは、Tn5トランスポゼースおよび次世代シーケンシング対応アダプターを使用してChIPとライブラリー調製の統合を可能にするタグメンテーションに基づいています。

多段階ライゲーションを必要とする標準的なライブラリー調製技術とは異なり、ChIPmentationははるかに簡単で短いプロトコールを組み込んでいます。

従来のChIP法とChIPmentationの比較

従来のChIP法

アダプター導入まで3ステップ必要となる

ChIPmentation

ライゲーションフリー・ワンステップでのアダプター導入

この技術により、次のようなメリットが得られます。

  1. 少ない細胞数・レアな細胞種からでも効率よくChIP-seqライブラリーを調製
  2. シンプルなプロトコールかつ実験時間の短縮(標準プロトコール)
  3. ライブラリーにアダプターダイマーが混入しないため、特異性アップ
  4. 高品質なシーケンス結果
  5. 自動化ロボット処理と併用することにより、手順の標準化を実現

マルチプレックス用プライマーインデックス 24 SI for ChIPmentationを用いることによって複数のサンプルを同時にシーケンスすることも可能です。

さらに、マルチプレックス化におけるインデックスホッピングが原因の他サンプル配列混入を排除する24 UDI for Tagmented librariesを用いることにより、より正確なマルチプレックスシーケンスが実現可能です。

ChIPmentationの高い信頼性を示すデータについては、ChIPmentation Kit for Histonesの製品ページをご覧ください。


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