【FAQ】Bioanalyzerでのピークの出方について
BioAnalyzerでサンプルを検定するとしばしば高分子側に2番目のピークが現れます。
この2番目のピークは通常対数スケール表示に伴うピークで、500 bp以上のX軸のデータが圧縮表示されることによって、高分子側の低くなだらかなピークが視覚的に大きなピークとして表示されます。
また、低分子量の分子と異なり、高分子量の分子のほうがシグナルを強く発するため、高分子側のピークが強調される傾向もあります。
BioAnalyzerのソフトウェアはピーク面積を分子数で表示する機能を有しており、これを使用すれば2番目のピークは通常かなり改善されます。
よって、2番目のピークは通常ライブラリー調製に影響は与えません。
また、ライブラリー調製時には低分子側の断片のほうが効率良く取り込まれるため、高分子の断片は調製中に大部分が取り込まれずに除去されます。
アガロースゲル電気泳動ではこのような断片長、およびSDS・タンパク質・共沈剤などの不純物に由来する誤検出が少ないため、DiagenodeではクロマチンDNA断片のサイズ確認にはアガロースゲル電気泳動の使用を推奨しております。
Figure 5. アガロースゲルおよびBioAnalyzerを用いた断片化クロマチンDNAのサイズ評価。
HeLa細胞をホルムアルデヒドで固定し、染色体をDiagenodeのプロトコルに従って調製した。 サンプルを、Picoruptorの30サイクルON / 30秒OFFで1.5 ml Picoruptor Microtubes with Caps(C30010016)を用いて超音波処理し、アガロースゲル(図A)、またはBioAnanlyzer、High Sens Agilent DNAキット(図B)によって測定した。 500bp以下および500bp超のフラグメント含有量を全表面積のパーセンテージとして算出した(図C)。図Dはモル濃度として計算されたフラグメント含有量を示す(BioAnalyzerトレースのみ)。