【FAQ】アガロースゲルとBioAnalyzerどちらが最適か
より明瞭な断片化の評価には、1.2~1.8%アガロースゲルに断片化クロマチンをロードして泳動してください。最適なクロマチン量は300 ng/laneです。濃度を100 ngから500 ngまで振って泳動することも可能です。ロード量を増やすと泳動像に影響し、真のDNA断片化状況を反映しなくなるためご注意ください。泳動像から視覚的に確認できる最小の断片化クロマチン量はおよそ60000個の細胞から得られるクロマチン量と同等です。
BioAnalyzerやTapeStationのようなマイクロ流路デバイスがNGSライブラリー調製前のDNA断片のサイズ評価に広く使用されていますが、断片化クロマチンの評価には不向きです。
例えば、アガロースゲルとBioAnalyzerの結果の間で結果の不一致が報告されていますが、これはマイクロ流路デバイスがサンプル中に含まれる残留不純物(イオン、SDS、タンパク質、DNA共沈剤など)や過剰なサンプルロード量、DNAの高次構造などに対し影響を受けやすいことに起因していると言われています。
さらに、BioAnalyzerのトレースは対数軸上にプロットされているため、高分子側のトレースが低分子のトレースと比べて小さい面積上に表示されることから、断片分布状況が視覚的に誤解されやすい点も指摘されます。
また、ピークの表示がモル数の表示である場合、低分子側に多くの分子数が分布することになり、高いピークが表示されることになります。
したがって、マイクロ流路デバイスの結果を見る場合は何を評価しているか、不純物の影響のリスクなどを考慮に入れて解釈する必要があります。
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