MeDIP (10)
【FAQ】MeDIPで超音波処理で断片化する理由
MeDIPの場合、その後の免疫沈降に適した範囲の断片を得るために、超音波処理を行う必要があります。
酵素分解では、免疫沈降に適した鎖長範囲の断片が得られないので、その後のサイズセレクションが必要です。また、MeDIPでは、5mCを全て免疫沈降する特異性の高い抗体を使用するため、CpGが豊富な領域は必要ありません。
【FAQ】MeDIP法でネガコンは必要ある?
目的のDNAと同じチューブに内部スパイクインコントロール、すなわち陽性テンプレートと陰性テンプレートを入れて、免疫沈降効率を確認することができます。
これらのコントロールの目的は、抗体の特異性とMeDIP実験がうまくいっているかを確認することです。
全てのサンプルにコントロールを実施することが望ましいですが、実験条件ごとに1サンプルにのみスパイクインコントロールを添加することも可能です。
【FAQ】シーケンスインデックスは免疫沈降しない?
MeDIP-seqでのアーリーマルチプレキシングについて、Diagenodeではまだテストを実施しておりません。
一般的にはバーコーディング(好ましくはUDIを使用)は、MagMeDIP-seqのライブラリー調製の最終段階で行います。
この場合、この後でライブラリーはQCされ、最適なマルチプレキシングのために量を調整してプールされます。
実際には使用するライブラリー調製のワークフローに基づき、インデックスの導入は免疫沈降前のライブラリー調製の最初のステップで行うことも可能です。
【FAQ】MeDIP-seqで使用するインプットサンプルについて
これは、サンプル/サンプルグループがゲノムレベルでどの程度類似していると予想されるかによって異なります。
培養細胞などのクローン材料を使用している場合、MeDIP-seqではサンプルグループごとに1つのインプットを使用するだけで十分です (qPCR ではサンプルごとに 1 つのインプットを使用してください)。
患者検体由来のサンプルなどを使用する場合、マッピングの偏りや個人差による偏りを避けるために、サンプルごとに1つのインプットをサンプルグループに入れるのが望ましいでしょう。
【FAQ】ゲノムDNAの断片化方法について
酵素による断片化は、配列に基づくバイアスが生じるリスクが常にあり、またまれにワークフローによるバイアス、酵素の制限部位へのアクセシビリティによるバイアスなどが生じます。
さらに、最適な酵素消化効率のための条件を得ることが難しいため、実験間の再現性が低くなります。したがって、超音波処理による断片化を強くお勧めします。
【FAQ】分解したDNAでMeDIPを行える?
MagMeDIPアッセイで使用するDNAの品質は重要です。したがって、培養細胞からタンパクなど夾雑成分の少ないDNAを抽出していただき、その際ゲノムDNAの抽出および精製には、Diagenode XL GenDNA Extraction Module (このパッケージに含まれています) のご使用をお勧めしています。(血液または組織サンプルからのDNAの抽出には、他の特定のキットが必要な場合があります。)
gDNA分離用のXL GenDNA Extraction Moduleは、100万から 150万の培養細胞から約60 μgのDNAバッチの調製に十分な量の試薬を提供します。
実験前に品質評価を実行しておくことにより、機能を有するDNAテンプレートが十分な多様性を備えていることを担保する、有益なサンプルを取得できます。
このような品質評価により、エンドポイントの結果がテンプレート配列上の非代表的セットに左右されず、サンプルの配列多様性全体を再現性良く反映する可能性が高くなります。
【FAQ】MeDIP-qPCRとMeDIP-seqの使い分け方
NGS と qPCR のどちらを選択するかは、サンプル数、ターゲット領域のシーケンスの総量、予算上の考慮事項、研究の目標など、いくつかの要因によって異なります。
qPCR は通常、ターゲット領域の数が少なく、研究の目的が既知のバリアントのスクリーニングまたは同定に限定されている場合に適しています。
その他の用途の場合はNGS がニーズに合う可能性が高くなります。複数のサンプルで複数の遺伝子を同時にシーケンスできるため、従来の反復法に比べて時間とリソースを節約できます。NGS はより高い検出力を提供し、新しいバリアントの発見などに適しています。
【FAQ】MeDIP-seqで低メチル化を検出できる?
MeDIPは、5-mC 抗体を用いた免疫沈降によってメチル化DNA領域を捕捉し濃縮する技術です。免疫沈降の最終的な目標は、バックグラウンド(非メチル化DNAに対応)と比較して、特定のDNAフラグメント (メチル化DNA に対応) の濃縮度を算出することです。適切なコントロールとの比較によって、高メチル化領域だけでなく、低メチル化領域に関する情報を取得することが可能です。MeDIP-seqを実施することにより、ゲノム全体のシトシンのメチル化状態を網羅的に把握できます。
また、すでに識別された MeDIP-seqピークに基づいて、サンプル間でメチル化の差異を識別することが可能です。MeDIP-seq 解析では、コントロールサンプルのメチル化レベルとの比較によって、メチル化レベルの量的な変動(高メチル化または低メチル化) に関する情報を得ることができます。
【FAQ】MeDIP、バイサルファイト法とメチル化率について
MeDIPでは、メチル化された DNAを認識するために5-mCに対する抗体を使用します。
この手法を使用すると、特定のターゲットの濃縮レベルに関する情報を得ることができます。MeDIPは濃縮ベースの手法であるため、フラグメントに存在するシトシンのどれがメチル化されているかを見ることなくメチル化の有無の状況についての情報を提供します。
それに対し、バイサルファイト法は、メチル化DNA と非メチル化DNAを区別する方法です。
メチル化されていないシトシンは重亜硫酸ナトリウム処理によってウラシルに脱アミノ化されますが、メチル化されたシトシンは変換されません。配列決定後、これにより、どのシトシンがメチル化されたかを正確に知ることができます。この情報を使用して、目的のターゲットのメチル化率を計算することができます。
【FAQ】MeDIPは非CpGメチル化を検出できますか?
MeDIP はゲノム上のすべての5-mCに対して特異性の高い抗体を使用します。
抗体は、非 CpGメチル化、CpGメチル化、または CpGリッチ領域を明確に区別することはなく、すべてのメチル化シトシンを認識します。